佐伯チズ客員教授による第5回特別講義を行いました
12月5日(木)、佐伯チズ客員教授によるキャリアデザイン特別講義「Self-Making, Self-Planning」の第5回講義をおこないました。今回が、今年度の特別講義の最終回です。
最終回のテーマは「Let’s Practice:実践」。今回の授業は、まさに「実践」でした。これから企業説明会などに参加し、面接を受けることになる学生二人に、実際に挨拶などをやってもらいました。ことばのひとつひとつ、動作のひとつひとつにチェックが入ります。「みなさん、リクルートスーツを着ると、スーツばかり気にしがちですが、ヘアスタイルは大丈夫ですか。メイクやアクセサリにも心くばりしましょう!」
また、病院で患者さんたちに慕われている看護士さんのエピソードを紹介してくれました。この看護士さんは、脈拍と同じリズムで歩くように心がけているそうです。そうすると、患者さんは気持ちが落ち着くのだとか。こうした細かな気配りのエピソードにも、五感を大切にする佐伯客員教授らしさを感じられました。
佐伯客員教授は毎回何冊かの本を紹介します。今回紹介したのは、林完次氏の『宙の名前』(新訂版,角川書店,2010年)。月や星や宇宙に関わる日本のことばを紹介した本です。自然の摂理を言い表した美しい日本のことばに敏感であることは、アートやデザインに関わる仕事をめざす私たちにはとても重要なことです。
毎日忙しく活動しているにもかかわらず、佐伯客員教授は学生たちが提出したプロフィールを1枚1枚ていねいに確認し、授業時間の許すかぎり、プロフィールを提出したひとりひとりにアドバイスをします。そのアドバイスは、その学生ひとりにとどまらず、みなにあてはまるものです。「プロフィールを読んでいると、自分の欠点を書き並べる人が少なくありませんが、欠点は見方を変えれば長所にもなります」
見方を変えれば新しいアイデアも出てくるのです。佐伯客員教授は、プロフィールを書いた学生も気づいていないようなポイントを指摘し、社会にはさまざまな仕事があることを説明しました。「お客さまにメイクの方法を説明するとき、あなたなら、お客さまひとりひとりにあわせてイラストを描いて説明でき るでしょう」自分が学んでいることが、こんなかたちで社会の役に立つ!と学生たちは実感しました。
9月26日からはじまった5回の特別講義を通じて、佐伯客員教授は五感を磨くことの重要さを強調しましたが、もうひとつ、コミュニケーションにおいて大切なことがあることを教えてくれました。それは、「対等の心」で接するということです。社会においてはだれもが対等の立場で向かいあわなければならない。 そしてこの対等な関係を築くためにこそ、敬語が必要なのです。5回の講義を通じて学生たちは、社会人としてのありかたを深く理解できたことと思います。 また、キャリアサポートセンターのスタッフにとってもよいふりかえりの機会となりました。
多忙にもかかわらず、5回にわたって指導してくれた佐伯チズ客員教授に心から感謝いたします。